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第4回 ミシュランタイヤ


■タイヤには数値化できない重要な性能がある
  レアルエキップがミシュランを選ぶ理由

 「レースで勝利すること」。誰もが頂点を目指し、ライバルよりほんの少しでも速く走るために全力をぶつけてくるコンペティションの世界。そこで勝つためには、あらゆる条件が最高のレベルで整っていなければならない。勝敗、優劣を左右する要素はあまりにも多く、簡単には説明することができないが、そのなかでも、モーターサイクル「マシン」に求められるものが大きな比重を占めるのは言うまでもない。

■マシンと路面のコンタクト

 モーターサイクルに求められる条件には様々なファクターがあり、そのいずれもが重要でバランスを欠くことは許されない。ファクターに優先順位をつけることはできないのだが、レアルエキップがその中でも特に気をつけていることがある。それは、マシンと外部がコンタクト(接触)している部分の性能だ。マシンと人間がつながる部分、そしてマシンと路面がつながる部分に関わるパーツには細心の注意を払い、最高のパーツを最高の条件でセットアップしなければならない。なぜならば、マシンは人間が操るものであり、そしてマシンは路面との接触によって走るものだからだ。その部分をおろそかにしては、他のどんな部分、例えばエンジンがいくら優れていても、その性能を活かすことはできない。同じ理由から、レアルエキップではオリジナルのステップ(フートレスト)なども開発しているのだが、これは主題とは離れるので、また別の機会の紹介したいと思う。


■タイヤごとにタイム計測を行なう
  しかしそれが評価のすべてではない

 今回は、そんなレアルエキップがスーパーモタード、エンデューロともに採用しているタイヤブランド「ミシュラン」を紹介しようと思う。その性能については、すでに愛用していて充分にご存知の方が多いと思うのだが、数あるタイヤブランドのなかでも、レアルエキップがなぜミシュランを選んでいるのか、その理由を通じてレアルエキップのフィロソフィーにも触れていただきたいと思う。

トライアルの世界ではミシュランが、とても多くのユーザーから信頼されているブランドである

  代表の河合紀之が長く関わってきたトライアルの世界では、ファクトリーチームからプライベーターまで多数のライダーがミシュランを装着してコンペティションに臨んでいる。もちろん河合が現役のときもずっとミシュラン。そうした背景から、もしかするとミシュランをひいき目に見てしまう部分があるかもしれない。しかし、だからといってそれがミシュランを選ぶ理由になっているわけではない。唯一、マシンと路面を結ぶ接点として重要なパートとして、慎重にテストを行い、これがベストであるという判断に基づいて選ばれるのが、結果として現時点では「ミシュラン」なのだ。
  わかりやすく手っ取り早い評価としては、装着タイヤごとに走行タイムを計測し、最も速く走れるものを選ぶという方法がある。ミシュランはその点においても、天候や路面状況などさまざまな条件下で、他社製品をリードする結果を出している。ミシュランのタイヤは速いのだ。だが、それだけではレアルエキップがミシュランを強く推す理由としては弱い。特定のレーシングライダーだけではなく、ユーザーとなる幅広い層のライダーにとって良いタイヤであることが必要。ミシュランにはそれを満たす特筆すべき性能があるのだ。


■いくつかの重要なファクター

 それは「ライダーにやさしい」性能だ。単に数値的な性能に優れているというだけではなく、実際に「人間が乗るための道具」として、数値化されないさまざまなファクターを満たす数少ないタイヤなのだ。


●インフォメーション
  たとえば限界へ向けてバンクしていくとする。途中まで踏ん張っているタイヤが突然限界を失ってしまうような特性は、それをコントロールすることが難しい。グリップ力の限界点がライダーに伝わらないからだ。ライダーは必然的に安全マージンを大きくとって走ることになるので、実際の限界より低い性能しか引き出すことができない。しかし、限界点がわかりやすくナチュラルに、そして徐々に伝わってくれば、ライダーはそのインフォメーションを感じな

限界性能の高さだけではなく、ライダーに多くのインフォーメーションを伝える性能も重要だ

がら走ることができるため、より限界点に近いところを維持しながら走ることができるのだ。たとえ両者の限界性能が数値的には同じであったとしても、前者はその性能を引き出すことが難しく、後者のように限界がゆるやかにやってきて、そのインフォメーションがライダーに多く伝わるほうが、速く走れることになる。


●性能低下曲線
  タイヤは乗り込んでいくうちに必ず磨耗して、次第に性能が落ちていくという避けられない宿命を持っている−−。数あるタイヤの中には、ゴム(コンパウンド)や、ブロックのエッジに頼ってトラクション性能を稼いでいるように見受けられるものがある。こういうタイヤはブロックが減ってきてしまうとあっさりと、そして突然にトラクション性能を低下させてしまう。さっきまで軽快に走っていたものがあるときから突然フィーリングが変わるのはライダーとしてはありがたくない。ミシュランはこの点でも非常

ミシュランのエンデューロタイヤは、ある程度磨耗してもグリップが急激に落ちることがない。さまざまな路面でバランスの良い性能を発揮するのも特徴だ

にナチュラルな挙動の変化を見せる。コンパウンドやブロックだけに頼らず、タイヤの構造全体で路面とコンタクトする設計なので、表面的な磨耗が進んでも、いきなりグリップを失うということが少ない。ある程度減ってしまったタイヤでも、そこそこのグリップ力があると感じられるのもミシュランの特長だ。性能の低下がゆるやかなため、結果的に「ロングライフ」であり、安全性にもつながる。これはミシュランのタイヤすべてにおおむね共通することだが、特に、エンデューロでは1本のタイヤでかなりの長時間を走りきらなければならないため、性能低下曲線がゆるやかなタイヤがより有利になる。そこで最後までもっとも安定した性能を維持できるタイヤとして信頼しているのもミシュランなのだ。

●許容範囲
  レーシングタイヤでは、ターマックでは数種のコンパウンド、オフロードでもコンパウンド、数多くのトレッドデザインで、路面状況に対応させるが、アウトドアの環境では、突然の気温の変化やコンディションの変化は当たり前だ。予測が外れても、ある程度の性能を発揮してくれないと、レースでは満足な結果を出すことはできない。この点でも、ミシュランのタイヤは、気温やシチュエーションに大してタイヤ選択がずれしてしまっても許容範囲が広く、かなりの無理が利く。これもやはり、ミシュランが、タイヤの構造全体でパフォーマンスを発揮することを狙っているためではないかと考えている。ミシュランは「ラジアルタイヤ」を世界で初めて開発したメーカーとして有名だ。ゴムの材質(コンパウンド)やタイヤの形状(プロファイル)だけではなく、そのベースになるタイヤの構造を重視する設計。他メーカーからミシュランに変えると「ふわふわしてゴムまりの上に乗っているようだ」という感想を持つライダーも多いが、まさにこれがミシュランの最大の特長、まるでタイヤが路面を包み込むようにグリップするのである。


■誰でも手にすることができるパフォーマンス

いずれもカタログには表記されない、数値化されない、「ライダーにやさしい性能」が、タイヤにはとても重要。しかもそれが、すべて市販されている製品、つまり皆さんが手に入れることができるタイヤに再現されているということがもっとも重要だ。限られたトップチーム、トップライダーにだけ配られるスペシャル品ではなく、市販品で高いパフォーマンスを発揮するのもミシュランならではだと思う。
  冒頭に述べたように、タイヤは性能が成績に直結するファクターなので、今後もその部分を常に判断しなければならないのは言うまでも無い。しかし今のところ「人にやさしい性能」が抜きん出ているのがミシュランであり、レアルエキップもこの性能がある限りミシュランを選択していくだろう。

いち早くスーパーモタード専用タイヤをラインナップしたのもミシュランだった。単にトレッドをモタード風にデザインしたのではなく、構造、コンパウドまでトータルにバランスさせた設計。多くのライダーがこのタイヤで好成績を挙げている。もちろんレアルエキップのコンプリートマシンでも標準採用している


   
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