それは「ライダーにやさしい」性能だ。単に数値的な性能に優れているというだけではなく、実際に「人間が乗るための道具」として、数値化されないさまざまなファクターを満たす数少ないタイヤなのだ。
●インフォメーション
たとえば限界へ向けてバンクしていくとする。途中まで踏ん張っているタイヤが突然限界を失ってしまうような特性は、それをコントロールすることが難しい。グリップ力の限界点がライダーに伝わらないからだ。ライダーは必然的に安全マージンを大きくとって走ることになるので、実際の限界より低い性能しか引き出すことができない。しかし、限界点がわかりやすくナチュラルに、そして徐々に伝わってくれば、ライダーはそのインフォメーションを感じな |

限界性能の高さだけではなく、ライダーに多くのインフォーメーションを伝える性能も重要だ
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| がら走ることができるため、より限界点に近いところを維持しながら走ることができるのだ。たとえ両者の限界性能が数値的には同じであったとしても、前者はその性能を引き出すことが難しく、後者のように限界がゆるやかにやってきて、そのインフォメーションがライダーに多く伝わるほうが、速く走れることになる。 |
●性能低下曲線
タイヤは乗り込んでいくうちに必ず磨耗して、次第に性能が落ちていくという避けられない宿命を持っている−−。数あるタイヤの中には、ゴム(コンパウンド)や、ブロックのエッジに頼ってトラクション性能を稼いでいるように見受けられるものがある。こういうタイヤはブロックが減ってきてしまうとあっさりと、そして突然にトラクション性能を低下させてしまう。さっきまで軽快に走っていたものがあるときから突然フィーリングが変わるのはライダーとしてはありがたくない。ミシュランはこの点でも非常 |

ミシュランのエンデューロタイヤは、ある程度磨耗してもグリップが急激に落ちることがない。さまざまな路面でバランスの良い性能を発揮するのも特徴だ
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| にナチュラルな挙動の変化を見せる。コンパウンドやブロックだけに頼らず、タイヤの構造全体で路面とコンタクトする設計なので、表面的な磨耗が進んでも、いきなりグリップを失うということが少ない。ある程度減ってしまったタイヤでも、そこそこのグリップ力があると感じられるのもミシュランの特長だ。性能の低下がゆるやかなため、結果的に「ロングライフ」であり、安全性にもつながる。これはミシュランのタイヤすべてにおおむね共通することだが、特に、エンデューロでは1本のタイヤでかなりの長時間を走りきらなければならないため、性能低下曲線がゆるやかなタイヤがより有利になる。そこで最後までもっとも安定した性能を維持できるタイヤとして信頼しているのもミシュランなのだ。 |
●許容範囲
レーシングタイヤでは、ターマックでは数種のコンパウンド、オフロードでもコンパウンド、数多くのトレッドデザインで、路面状況に対応させるが、アウトドアの環境では、突然の気温の変化やコンディションの変化は当たり前だ。予測が外れても、ある程度の性能を発揮してくれないと、レースでは満足な結果を出すことはできない。この点でも、ミシュランのタイヤは、気温やシチュエーションに大してタイヤ選択がずれしてしまっても許容範囲が広く、かなりの無理が利く。これもやはり、ミシュランが、タイヤの構造全体でパフォーマンスを発揮することを狙っているためではないかと考えている。ミシュランは「ラジアルタイヤ」を世界で初めて開発したメーカーとして有名だ。ゴムの材質(コンパウンド)やタイヤの形状(プロファイル)だけではなく、そのベースになるタイヤの構造を重視する設計。他メーカーからミシュランに変えると「ふわふわしてゴムまりの上に乗っているようだ」という感想を持つライダーも多いが、まさにこれがミシュランの最大の特長、まるでタイヤが路面を包み込むようにグリップするのである。
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